コツコツ資産運用ができる従業員持ち株会

"株式を購入するとき買い付け代金は、いつ証券会社に支払えばいいのでしょうか。株式を初めて買う人は、まず証券会社の支店で取引口座を開きます。架空名義では、口座を開設することができません。それからその口座に最初に購入する株の買い付け代金、委託手数料とその消費税の全額に見合った金額を、振り込みます。最初の売買が成立すると、即あらかじめ口座に振り込んである残高から代金、委託手数料、消費税が差し引かれます。口座の残高が足りないと、売買は成立しません。この仕組みは完全前受け制といい、その証券会社で初めて株式投資を行う人全員に、適用されるルールになっています。

2回目以降は、売買成立の日を含めて4営業日までに代金を取引口座に振り込んで、決済するというルールに変わります。手元の株を売った場合、証券会社が売却代金を口座に振り込んでくれるのも、4営業日目と決められています。営業日の計算には土曜日、日曜日、祝日や年末年始の休みは入りませんので、金曜日の取引は途中に祝日がなければ水曜日決済になります。この4営業日決済は、証券界が厳しく守って投資家との信頼を築きあげてきた、ルールになっています。なおインターネット株取引の場合は、原則として2回目以降でも完全前受け制が適用されますので、注意をしてください。

実は証券会社を通さなくても、株式を買える制度があります。勤めている会社で募集する、従業員持ち株会です。変える銘柄は自分の会社が大部分ですが、親会社など他社の株を買える持株会もあります。一口1000円単位で給料やボーナスから天引きされるお金を積み立て、それを持株会全体でまとめて株を買います。配当金は株を買うための積立に加えられ、株主総会には個人名義では出席はできません。現在の自分の持ち株が何株あるか定期的に報告されますので、資産運用として徐々に増えていくのを楽しむことができます。株数が単位株に達したら株を自宅に引き取って株主の権利を得たり、売って現金に換えたりすることができます。コツコツと資産運用するには、もってこいです。